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企画趣旨
昨年2005年、私は初めて「境内アート苗市in玄照寺」に参加、半世紀にわたって行われてきたという「苗市」をテーマに、毛糸を「種」に見立てて三門より大地へ蒔くという現代アート作品を出展いたしました(こちら)。
来訪者にも参加していただいて境内に蒔いた色とりどりの「種」は、三門からのびた蔓の生長を表わす軌跡として、訪れた人々の頭上を走るインスタレーションとなり、2日間境内を飾りました。
今年2006年は、この実にユニークで意欲的な取り組みの場となっている玄照寺、特に各宗派の中でも修行の厳しさで知られる曹洞宗の禅寺ということをテーマに、作品づくりに取り組んでみたいと思います。
禅宗では修行僧のことを「雲水」と呼ぶと聞いております。そして「行雲流水」は、師を求めて各地を巡り歩く姿を雲や水に重ね合わせて言われた言葉であるとともに、また別の文脈では、ものに固執せず、無為自然たるありさまを言う言葉でもあります。
私は「行雲流水」という言葉のそうした豊かなあり方について表現したいと思いました。無為自然の境地と、そこにいたるために費やされた恐ろしいほどの修行の積み重ねとを、この語は含意しているように思います。
私は「雲」をテーマとした一連の作品の制作を予定しています(こちら)。それは毛糸を使ったインスタレーションが、開催場所によってさまざまな意味(ときには虹に、ときには種まきに、そしてまたときには滝などに)を読み込んで制作されるように、さまざまな変転を重ねながら、場に応じた意味を読み込んだものになっていくと思われます。本展示は、その本格的な制作の第一歩となるものです。
企画概要
風船もしくは新聞紙を入れた3〜4メートル程度のビニール製の雲型オブジェを1〜2個制作、玄照寺三門手すり部分(何らかの方法で支持部分は強化する)と境内内のポールとの間をロープで結び、このロープに「雲」をつるす。
この他にもロープもしくは毛糸を三門〜灯ろうなどへわたし、小布施と仙台の子どもたちあるいは大人につくってもらった「もくもっくん」(雲型の紙に「夢」をかいたもの)をつるす。
(1)雲
展示方法
初日、午前中に現地で「雲」を制作(袋状のものや材料だけ用意しておき、現地でふくらませ、綿をはる、あるいは新聞紙をつめる)、三門二階とポールを結んだロープに「雲」を取り付け、引き上げる。
引き上げるおりには、来場のお子さんたちなどに参加を呼びかけ、一種のセレモニー的な感じ、見せ場にする。マイクなどで「引き上げます」などアナウンスしてもらい、雲が高々と上がったところで拍手など、ちょっとした達成感を味わう。
二日目の展示終了まで基本的にそのままつるしておく。強風のおりなどには「雲」を下ろし、三門二階や回廊などに置いて展示する。

(2)「もくもっくん」
昨年は小布施の栗をテーマに、小布施と仙台の子どもたちに栗をかたどった紙に、「くりんこくん」という言葉からイメージされるものを制作してもらい、小布施駅から玄照寺を結ぶ路線上に展示を行った。
今年は同じようにして、「雲」をかたどった紙に、「夢」をかいてもらう「もくもっくん」を制作、境内に展示したい。 「もくもっくん」というネーミングと雲をかたどった形とは、当初からイメージしていたものだったが、そこに何をかくかは具体的には決まっていなかった。しかし仙台の子どもたちと試作を行い、それぞれに自由につくり、かいてもらっていたところ、「漢字がかけるようになりたい」「大人が言うことを聞きますように」など、いつしか願いごとをかくようになっていった。それを別の機会に見た子どもが、「ここには「夢」をかくんですか?」と聞いた瞬間、私はある種の感情におそわれ、この子どものうちから「浮かんできた」プラン、雲に夢をかいて空に浮かべる(実際にはつるす)というプランでいこうと考えるようになった。
制作方法
昨年の「くりんこくん」同様にして、画用紙などを今回は雲型に切り抜き、ここに「夢」をかいてもらう。他にサインなども自由に。パンチで穴をあけてもらい、白い毛糸を通して20センチ程度のつるす部分をつくる。小布施、仙台でそれぞれ30〜40程度。ひとりいくつつくってもよく、数もこれより多くなる分にはかまわない。
展示方法
作業は当日、すこしずつ行っていく。
@ロープもしくは白い毛糸につるす 私がつくる大きな雲と同様に、三門手すりから、灯ろうなどへロープもしくは白い毛糸をわたし、これに「もくもっくん」をつるす(あらかじめ「もくもっくん」をつるしておいたロープもしくは白い毛糸を、三門から灯ろうまでわたす)。
A境内の木などにつるす 境内の木などに、クリスマス・ツリーのオーナメントのようなイメージでつるしていく。
もくもっくんの例はこちら

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