☆私の予定☆
【4/16】
10:30〜小布施着。駅前ロータリーでインスタレーション制作。
12:00〜玄照寺にて「アートの苗」販売開始。
2:00〜玄照寺にて「種まき」(毛糸投げ)開始。境内でのインスタレーション制作。終わりしだい、駅〜玄照寺間に「くりんこくん」設置。
【4/17】
終日、展示

 

 

 

 

 

 

「三門から種をまく」
"Planting Seeds from the Deva gate"

出展プラン
2005/1/25作成

境内アート苗市
信州小布施・玄照寺
 2005/4/16-17
4/16 10:30-16:00
4/17 9:00-16:30
主催 玄照寺奉賛会・"境内アート「苗市」"in玄照寺運営委員会
後援 小布施町
事務局 〒381-0204長野県上高井郡小布施町飯田45
 文屋内"境内アート「苗市」"in玄照寺事務局(木下豊
022-242-6512 Fax026-242-6513bunya@e-denen.net


三門から種をまく 作品制作意図

春の訪れを告げる「苗市」は、種や苗を買いもとめる場というだけでなく、それを育て、それが育っていく、ものごとの生成から終焉までをもふくめた全体として、それを今ここから見守っていこうという態度、未来や将来へと意識を向かわせる姿勢、まさに「春」を象徴する場と言えると思います。
そこで私は、大地に向けて種をまくというしぐさ、苗を植えるという行為を引用的に使用し、見立て、アート作品にすることを思いつきました。すなわち、苗市を訪れた人が仁王たちの守る三門にのぼり、ここから毛糸玉を苗市が行われている境内の四方に向かって投げる。毛糸玉は新たな生命の象徴たる種を表わし、投げられた軌跡である毛糸の線は、種から芽吹き、のび出でた植物のつるに見立てることができるでしょう。あるいは「種まき」後に天にかかった虹としても。
また、ながのアート万博の宮沢真さんといいだごうさんが昨年同様FM苺としてラジオ局を出展する予定とのことなので、毛糸は種からおいしげるつるをあらわすだけでなく、ラジオ局から発せられる電波、その見えない糸を可視化したものとなるでしょう。そして種まく人(毛糸を投げる人)が三門にのぼるたび、インタビューを行ってもらったり(「お名前は?」「今日はどこから?」「何を買いました?」)、種まきのようすを実況中継してもらったり、種まきの合い間には、どうして三門から毛糸がのびているのかを伝えてもらったり、種まき人を募集してもらったりすれば、三門はこれ以上のぞむべくもない「苗市」の象徴的存在、種まきの舞台になることでしょう。
このほか、苗市にまじって、「アートの苗」の販売を行う、小布施と仙台の子どもを結ぶ「くりんこくん」ほかいくつかプランをつくってみました。

展示プラン詳細
1.「三門から種をまく」毛糸を使ったインスタレーション展示

苗市を訪れた人に三門にのぼってもらい、1日先着40名ほどに毛糸玉を投げてもらう。毛糸のはしは欄干に結ばれており、投げ終わった毛糸を私がインスタレーション作品に仕上げていく(以前行った毛糸投げのようすはこちら)。
FM苺さんが投げる人へのインタビュー、実況中継、種まきへの参加募集の呼びかけなどを行ってもらうほか、毛糸の作品をつくるきっかけになったCD『SATOKO』をときおり流してもらう。
三門から投げられた毛糸は、1日目のおわりにいったんすべてはずし、2日目はまた同じように種まきをしてもらう(状況を見て、そのままにしておくこともある)。
2.境内のほかの場所にも毛糸を結ぶ
三門から毛糸を結ぶほかにも、本堂裏手の池泉式庭園の池の上や、裏の林、参道入口、松川などで、毛糸のインスタレーションを展開できるところがあれば、展示したい。
また、 夜、境内にあかりをつける展示を行う。大型の紙コップをふたつつないだものの中に、懐中電灯を入れ、簡易的な「あかり」として境内を飾る。電池なので電源も要らず、火の心配もなく、安価なものなのでなくなっても困らない(以前行ったあかりのようすはここここ)。

3.アートの苗
「アートの苗」と記された毛糸玉を、苗市を売るほかの露台とともに、あるいは境内に並べ、200円で販売する。買ってくれた人の名前と住所を荷札に書いてもらい、買ってもらった毛糸に荷札を結びつける(買った人に渡すわけではない)。下のような説明が掲げられている。代金は写真の現像代、郵送費、封筒代として使い、下の説明には、私がこれまで行った展示の写真をパネルか何かにして「栽培例」などと書いて示す。住所変更や問い合わせの際に利用するように、私の住所や「アートの苗」の説明を書いたカードをわたす。
同時に、私の毛糸を使ったインスタレーションに対する理解を深めてもらうため、この展示のきっかけとなったCD「SATOKO」を試聴できるポータブル・CDプレーヤーを用意するとともに、CDの販売も行う。

「アートの苗」一株200円
〜買っていただいた「苗」を、私がどこかで大きくします〜

お好きな色の「アートの苗」(毛糸玉)をお買いもとめください。しかし持っては帰らないで下さい。あなたが買った「苗」(毛糸玉)を使い、境内に展示したような毛糸のアート作品を、私がどこかで栽培(制作)します。それがいつになるかはわかりませんが、おそらくそれほど遠くない時期に、ここからかなり離れた場所で、きっと立派に育ててみせましょう。そして大きくなったその(展示した)おりには、あなたの「苗」が実っている(展示されている)ようすを、写真に撮ってお送りします。荷札にお名前と住所をお書きになって、お好きな「苗」(毛糸)に結んでおいてください。いつかどこかで実を結ぶ、あなたの「苗」をお楽しみに。

 

 

4.「くりんこくん(仮称)〜小布施と仙台を結びます〜」と「谷脇アート街道(仮称)」

仙台と小布施の子どもに、くりのかたちに切り取った画用紙をわたし、「くりんこくん」という言葉から連想される絵や何かを描いてもらったり、くりそのものを描いてもらったり、くりのお面をつくってもらったりし、仙台の子がつくったものと小布施の子がつくったものを1セットにして毛糸で結ぶ。できたものを小布施のいろいろな場所に展示してもらう(例:ボンネットバス「おぶせ浪漫号」の窓、レンタサイクルの前カゴ、長野鉄道の窓、小布施の町中のお店、特に栗菓子屋さんや銀行、ふつうのお家などなど)。くりの裏面や余白などに「境内アート苗市」の宣伝や毛糸投げのおさそい、宮沢さんのラジオの周波数と「ラジオをもってお寺へGO!」などを書き込み、あわせて宣伝にも使う(私の塾の生徒につくってもらった試作品はこちら)。
「くりんこくん(仮称)」は、言うまでもなく、小布施を表象する栗であるとともに、「くりんこ雀踊り」から取りました。仙台にも「仙台雀踊り」があり、毎年盛んに踊っていることから、仙台と小布施を結ぶものにちょうどいいと考えました。また、「くりんこくん(仮称)」を春を告げる「苗市」に飾ることは、その後夏祭りで踊られる「くりんこ雀踊り」、そして秋の収穫の時期である「栗どっこ市」へとつながる出発点を告げるという意味でも、おもしろいのではと思いました。 が、もっといい名称があればとも思っています。

 

 谷脇街道沿いの建物と、これを玄照寺へと導く毛糸のイメージ

 

 

 

毛糸を使った作品を制作するようになったきっかけと、これまでの展示・これからの展示

私は一昨年の秋から、主に野外で、大規模に毛糸を用いたインスタレーション作品を制作しています。 私がこうした作品を制作するようになったきっかけは、一編の詩に接したことです。それはオウム真理教信者による坂本弁護士一家殺害事件の被害者のひとり、坂本都子(さとこ)さんが若い頃に書いた詩で、次のようなものです。
  赤い毛糸にだいだい色の毛糸を結びたい
  だいだい色の毛糸にレモン色の毛糸を
  レモン色の毛糸に空色の毛糸を結びたい
  この街に住むひとりひとりの心を結びたいんだ
坂本さん一家のゆくえが知れなくなり、それが結局殺害され、長野県、新潟県、富山県の三県にわたって一家三人がばらばらに埋められていたことがわかったのは、事件から6年ほど後、地下鉄サリン事件後のことです。都子さんの友人で、捜索にも尽力した中村弁護士は、一家の死を知った後、知り合いのシンガーソングライター国安修二さんとともに、『SATOKO』という1枚のCDを制作しました。
私がそのCDの存在を知ったのは、毛糸のインスタレーションを制作しようと思う約2年前、2001年のことです。しかしその時は、そのあまりに衝撃的な事件から、「お涙頂戴的」でナイーブなものにちがいないと勝手に思い込み、聴くことはありませんでした。はじめてそれを耳にしたのは、それから1年ほど後のことです。それは私の安易な予想を見事に裏切るものでした。背景にあるその悲惨な物語を知らずとも、それは作品として自立しており、私は自分の浅はかな思い込みを恥じるとともに、その背景や物語を語らずとも、作品として自立したものをつくることの重要さを痛感しました。そしてやがて、音楽として成立させることができるなら、視覚アートとしても提示できるのではないかと思ったわけです。それはオノ・ヨーコの「雲を数えなさい」といったインストラクション作品を、実際にやってしまうおかしさや、非日常性、違和感から生じる美的なものについて、とても興味をもっていた時期とも重なっていました。
こうして私はこの作品を、一方では「もの」として、つまり色と形、空間、出来事の技術(アート)として制作しながら、他方では「ものがたり」として、つまり都子さんののこした詩というきっかけ、種、苗から生まれ、育ち、さまざまな人との関係性の中で育てあげられ、さまざまに変化をとげていくひとつのストーリーとして制作しつづけることになりました。
制作をはじめた当初、私は毛糸を、それをたどると街中をめぐって縁結びの神社にたどりつくとか、上から見るといくつかの文字になっているという、「たどる」ことをテーマにする作品、それとともに街を結ぶ目に見えない網の目(ウェブ)、導きの糸、つながりといったものを可視化するものとしての毛糸作品というものを考えていました。それは仙台の街を舞台に、「まちおこし」的な要素をもったアート・イベントに出展していたということとも大いに関わりがありましたし、また、毛糸から連想される「結びつき」のようなものが念頭にあったからです。
その後、仙台七夕の時期に行われたアート・プロジェクトに参加したおりには、毛糸を七夕の糸として伝統の引用、「再生」として読み込んだり、長野県千曲市の戸倉上山田中学校や長野県信濃美術館・東山館では毛糸を虹に見立て、毛糸を投げる行為を虹をかける行為に置き換えました。そして今回、「苗市」ということから、毛糸を植物の種や苗、つるに見立て、それを投げる行為を種まき、投げられた毛糸の軌跡をつるの成長の軌跡としてとらえたいと思っています。
また、戸倉上山田中学校、信濃美術館、小布施・玄照寺と、おもしろいほどほぼ切れ目なく長野との結びつきがあり、これをひとつの縁と考えて「(毛糸で)仙台と長野とを結んでいます」という一連の作品としてとらえていきたいと思っています。たとえば、仙台の七夕で飾った毛糸を長野の中学校で使ったように、信濃美術館で使った毛糸を今度は3月に仙台市内2カ所で行う個展の展示に使いたいと思っています。また、この個展会場で来場者に描いてもらった「くりんこくん(仮称)」もしくはそれに類するものを、小布施にもって行きたいと思っています。さらに、小布施での展示が終わったのちには、玄照寺を飾った毛糸を使って、仙台で新たな展示を試みたいと考えています。

展示のようす


関連リンク

玄照寺

SATOKO

つなぐこと 結ぶこと〜毛糸のインスタレーション一覧

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