門脇篤個展
ふたつの場所を毛糸で結ぶ
〜絵画・立体・パフォーマンス〜
Solo Exhibition of Atsushi Kadowaki
"between two places with yarn"

中本誠司現代美術館展 2004/3/18thu-24wed

クレイ・アルファ展 2004/3/16tue-23tue

中本誠司現代美術館1階展示室
1st floor of
the Contemporary Art Museum of Seishi Nakamoto


中本誠司現代美術館1階展示室では、中本作品2点(平面、立体各1点)をお借りし、それに私の平面と立体を対置させる展示を中心に、テンペラ画を13点、立体を2点展示した。
テンペラ画は40〜50号を中心に、100号大のものから、サムホールまで。立体は紙ねんどでつくった丸太と、願いに関する6つの文章を十ヶ国語ほどに翻訳してもらったものをはった、白く塗った角材である。
特にタイトルプレートを付していなかったため、丸太の立体は私から説明を受けるまで「作品」であることをわかってもらえなかった。また、テンペラ画は枯れ草を描いたものが多かったのだが、枯れ草の一本一本を描いているという「作業量」ばかりが前面に出てしまったようだ。
訪れた人に毛糸を身長分だけ結んでもらう、ということをしていき、会期が進むにつれてこれがたまってきたので、これを会場の天井付近にはっていくことにした。しかしこの展示、および中本誠司作品との対置に関しても、それぞれを「殺し合っている」という批評があった。

 

上の写真左の作品が中本誠司作品。前に置いた丸太とともに、床の間の掛け軸と壺のかけあいのような感じになった。

 

上の写真の丸太、左が私が山で拾ったもの。右がそれをお手本に、紙ねんどでつくった鏡像(左および下の写真では手前が「ホンモノ」で、向こうが私のつくったもの)。 テンペラで着彩(制作過程はこちら)。
立体と称しているが、単に支持体が立体的な「テンペラ画」だと私は思っている。

左の写真、右の絵が、テンペラによる私の抽象(こちら)。サイズは左の中本作品と同じにした。当初はこのふたつが対になるはずだったのだが(実際そのように展示しているが)、中本作品の確かさにはかなうべくもなく、見ていられなくなり、会期中盤ではずすことにした。

 

 

右の写真手前の木彫が中本作品。流木をチェーンソーで切り込んだもの。奥の壁に見える私のテンペラは、こちらこちら。そして中本作品の間からは、これも顔を見せている。
屋外に置かれていたものらしく、かなり風化しており、実は会期中、この作品に手をついた観客が、下の写真のように作品の一部を破損してしまった。
おそるおそるそのことを告げると、美術館スタッフは、かたちあるものは滅びる、というのが中本誠司の考えだったと意にも介さず、軽く、なおしておきますと言ってくれる。
(美術館では、特に説明のない限り、作品には手を触れないようにしましょう。いや、美術館に限らず、ひとのものは勝手にさわらないようにしましょう)

 

 

 

 

L字型になった展示室の奥に展示した枯れ野の絵(こちら)。
窓にはめこまれた板をはずして、ランドアート風の展示をこころみてみる。石は新川で拾ったもの。

 

 

「何が言いたいのかわからない」とか、「ただ描いているだけだ」といった批評を、私自身についてだけでなく、ときおり耳にする。よく聞くと言ってもいいかもしれない。
たぶんそれは、「何かピンとこない」ということを言いたいのだと思う。もしそうでないなら、そうした批評自体、「何が言いたいのかわからない」し、「ただ不満を言っているだけ」に聞こえてしまう。おそらくここで大切なのは、そうしたことへの「明確な解答」みたいなものをつきつけたり、ひねりだしたりすることではない。そうではなくて、純粋にそこにある美を共有するのと同じように、もっと何かが足りないという他者の視点を共有すること、共有しようとしつづけることに思える。そしてもちろん、足りないものなどなかったのかもしれないし、ある日突然手に入るものかもしれないし、そして何よりありそうなことだが、何年もたって、すでに問題だとすら思わないほどに、そうしたことが私のうちに根付いていることに、気づくかもしれない。

 

 

のびてゆく毛糸。訪れた50人あまりのほとんどの方に結んでもらった。会期3日目くらいから天井付近に結んでいった。

 

 

たれさがる毛糸。街中での展示をしたおり、きれいに回収するヒマがなくてごちゃごちゃにして集めた毛糸のかたまりをつるしてみる。

 

 

 

 

 

 

さしこむ日ざし。夕暮れ時になると、展示室にさまざまなかたちの日が差し込む。

 

 

 

訪れた小学生がもってきたものや、いっしょに拾いにいったものを毛糸でつるす中(こちら)、つくった丸太もつるしてみようと思いたち、やってみる。もう少し展示の仕方に改良が必要だが、面白いかもしれない。

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展示までに考えたこと

門脇篤 in 中本誠司現代美術館

つなぐこと 結ぶこと SATOKOプロジェクト

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