「美術館に虹をかけよう」
長野と仙台とを結んでいます

"Yarn Rainbow over Art Museum"

シンポジウムの日
2005/1/13

学校が美術館になった日
 〜
とがびプロジェクトのまとめ展〜
 2005/1/8-25 9:00-17:00(水曜休館)
 長野県信濃美術館・東山魁夷館
 長野市箱清水1-4-4(善光寺東隣)
.026-232-0052


 

美術館学芸員の伊藤さんから「こんな風になってます」という画像(右、下)をいただいていたので、おもしろい!と思う反面、もちろん不安ももちながら、シンポジウムの行われる1/13早朝、私は再び仙台を出発、長野へと向かった。


©YokoIto

 


©YokoIto

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前日までは雪降りだったという長野市の空は、どこまでも気持ちよく晴れ上がっている。
東山魁夷館の毛糸も、実際見に行ってみると、けっこうのびながらもがんばっていて、切れたのも3本ほど。あまりこういうことから教訓めいたことを主張するつもりはないのだけれど、ゆるやかさのもつしなやかさ、逆説的な強さを感じた。

 

 

シンポジウムは、とがびプロジェクトの「母体」である戸倉上山田中学校1年1組と2組の生徒たちと、これを指導した中平・原先生や共同参画した信濃美術館の松本館長に5人の出展作家が、対面してあいま見えるかたちで座り、生徒たちがプロデュースした各作家の作品をプロジェクターで見ながら、それぞれ担当者が感想を述べる第一幕と、出展作家がそれぞれの出展経緯を述べたり、松本館長が生徒にホンネを聞き出すインタビュー・タイムからなる第二ステージとに分けて行われた。
「とがびプロジェクトのまとめ展」とあるように、このシンポジウムも基本的にこの総合学習の時間をまとめるものであり、基本的にその主役は生徒たちであることははじめからわかっていたことだし、中学1年生、それもあまり親しくない彼らには、彼らに通じる言葉でもって語りかけなければならないということぐらいは前もってわかっていたはずなのだが、とてもつまらない、またオトナがわけわかんないこと言ってると思われても仕方のないようなことしか話せなかった。それが私にはショックだった。
松本館長もその点、終わった後にきっちり指摘していた。しかしカフェに場所を移して行われたその後の会話も、美術というより「美術」に、つまり、この私が何を美術だと思うか、この私が何をおもしろいと思うのか、というよりも、何が「美術」とされているのか、その「美術」とされている世界はどんな常識で動いているのか、等々といった話題に終始した。
しかし同じ「美術」といっても、インタビュー・タイムに館長が生徒たちから引き出した言葉は鋭いものだった。それはどの方向に向かっても結論めいたものをもったものではなかったのだけれども、「美術」という安全地帯を破って侵入してくる、直接「この私」へと割って入り、「美術」って、何のこと?と問うてくる、あまりに真摯で誠実な態度ではなかったかと思う。
これに対して美術業界の話や美術史をひもとくのは的はずれであるし、あるいは言葉の問題として「美術」という確定したものなどないのだから、あなたがおもしろいと思うものをその名前で呼べばよい、という風にこたえるのも確かに簡単だし、大人にはそれで十分だろうが、しかしそんな「常識」の通用しない相手、つまり「美術」の「他者」にとってはどうだろう。もし私がおもしろいと思うこと、美術ということで語ることが美術であるとしても、やはりそれでもこの世界には美術が、私がおもしろいと思うそのものに先行して存在するのではないだろうか。その先行して存在するということこそが、ここで議論の矢面に立っていることで、私がその名で呼びたいもの、あるいは「みんな」がその名で呼んでいるものがそのこたえだ、みたいな安直な態度は、ここでは責任のがれにしか聞こえなくなる。
私もそれが知りたい。美術って、何だろう。あるいはそのように問うのはいったいどんな前提に立っているからなのか。そこにあるのは、どんな役割やしくみなのか。私はそこでどんな役割やしくみを演じているのだろう。 つまり私は何を根拠にものを考え、語るのか。私の言葉が、そいういう意味でむなしいものにならないためには、いったい何が必要なのだろう。

 

 

 

 

日が暮れてくる中、切れた毛糸を別の場所につけかえる作業をして帰る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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学校が美術館になった日(フライヤー)

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