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おそらくこれだけなら、単なるテーマパークの展示場のひとつ、それも規模の小さなさして手のこんでもいないそれに過ぎないでしょう。
私の展示=物語はしかし、「テーマパーク」の外にも世界をもつことによってテーマパークでなくなり、一般化された「未来」でも「物語」でもなくなります。それはどこからか毛糸が届き、それをたどること、そしてそれがどこかにたどりつくことを「覚えた」人が、展示室の外でも毛糸を見つけ、それをたどってみようとすることによって成し遂げられます。それは翌日、そのまた翌日へと何らかのかたちで受け継がれていくことによって、また誰かへそしてまた誰かへと何らかのかたちで伝わることによって、「未来」そのものになっていきます。
(2)現代美術センターが位置する地域との間で行う展示
私は過去に3度、仙台のアーケード街で行われたいくつかのアート展で、商店街に毛糸を結んでいき、来訪者にそれをたどってもらうという作品を制作しました(こちら)。
現代美術センター付近の谷町筋は、昔ながらの大阪が残っている地域ということで、特に「ハイ空堀通り」は魅力的です。仙台での展示のように、端から端まで毛糸でつなぐことは会期の長さからしても難しいと思いますが、ポイントごとに、例えば地下鉄から現代美術センターへの導線上に何箇所か設置したり、お店に協力してもらって、店先にほんの1メートルでも毛糸を設置させてもらい、現代美術センターでの展示を見た後、外へ出て、つまり「現実」世界へ戻った後にも、あるいは逆にそこへ行って戻って来たからこそ、その毛糸に目がいくように。
そしてまた、そこに生活する方々、商店街の方々への企画の説明やお願いなどのやりとりを通して、いったい何が出てくるかは毛糸をたどるのと同じようにまったく予想がつきませんが、それによって作品が影響を受け、変化し、より豊かなものになっていくような予感がします。実際、これまで私は制作の過程で、物理的に作品を制作すること自体よりも、それを通してまだ見ぬ作品、つまりは「未来」についてお互いに語り合うことの方がおもしろい瞬間が多いように感じてきました。
また、会期が始まった、いわゆる制作「後」も、そうして協力していただいたり、してくれなかったりした地域の方々を会場へ招待し、コミュニケートをはかっていくことで、展示室では期待できないような変化を、会期中、町の中で期待できるのではないかと思っています。そしてまた鑑賞者はそうしたもろもろの一端を目にしたり、耳にしたりするだけでも、展示会場の外にも作品が大きく、リアルなスケールで広がっていること、取り巻いていることを感じるのではないかと思います。
さらにまた、これを機に谷町など現代美術センターを取り巻く街中などでも、現代アートを展示したり、アート展を行っていくような機運へとつないでいけたらと思います。
(3)制作スケジュール
月2回程度大阪入りし、制作を進める。
2005年11月
・ヤノベ氏、現代美術センターとの打ち合わせ
・打ち合わせにもとづき、展示室に設置するパネル等の発注・屋外で設置できる箇所の検討
・商店街、町内会との接触、説明、協力のお願い
・公共施設、地下鉄などへの設置許可申請打診
12月
・上記の継続
1月
・屋外での設置箇所の概略確定
・確定した箇所を盛り込んでプレス・リリース、フライヤーの作成
2月
・屋外設置箇所の最終確認
・設置パネルの完成確認
3月
・搬入、制作・展示作業
・会期開始
・町の方を招待、町でのさらなる設置協力、コラボレーションをうながす
・会期終了後、協力いただいた方へのお礼、報告など。できればこれを機に現代アートの場を谷町の街中で行う機運へとつなげていく。
(4)制作費用
搬入出時の運送費以外すべて賞金100万円でまかなう。
交通費(仙台〜大阪、空路、10往復) ¥56,000×10回=\560,000
宿泊費(1泊¥6,000、15泊) ¥90,000
パネル・壁紙制作費、処分代(外注) ¥250,000?
雑費(通信費や懇親のための費用など) ¥100,000
合 計 ¥1000,000
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