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ぼくらは歩くよどこまでも(1)
それは10月11日、秋のある土曜のことです。ぼくらは新人戦で、仙台市の西方20キロほどのところにあって、愛子(あやし)というへんちくりんな読み方をするにもかかわらず、某皇族の方のお名前に酷似しているために、お名前発表の当日には入場券がバカ売れしたという場所にある体育館へと向かったのでした。

 

 

個人戦では、唯一1年生から出場したぼくでしたが、おしくも一回戦敗退。団体戦もボロ負けし、午前中で早々にひきあげることになりました。
しかし、ぼくの成績がこんなふがいないものになったのには、わけがあるのです。ぼくらはその朝、みんなで待ち合わせて、試合会場までバスに乗りました。そしてバスを降りるとき、料金を見て驚愕せざるをえませんでした。同じ「仙台市」、しかも「青葉区」なのに、片道540円!
こんな遠くまで来てしまった! その孤独感、寂寥感が、ぼくたちのラケットをもつ手を狂わせたにちがいありません。帰りのバス賃、足りるだろうか? そんな思いがよぎった部員もいたかもしれません。きっと敗因はこれにちがいありません。
そしてここからはじまったのです。ぼくたちのロードムーヴィーのような旅が。そう、ぼくたちはここからここまで、徒歩(かち)だち(※歩きのこと)で、踏破することをちかったのです!

これはその、想像を絶するような体力の限界へといどむ若い血潮と、若さゆえに超えられないものへと体当たりしてゆく男たちの、愛と友情のものがたりの全記録です。

つづく…

 

 

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